筋書きの無いドラマ、という使い古されたフレーズがある。
2007年度全国高校野球選手権大会の決勝が行われた。
甲子園球場は超満員。
広島代表・広陵高校と佐賀代表・佐賀北高校のカード。
ここまで駒大苫小牧や常葉菊川など優勝候補を打ち破ってきた広陵。
今大会屈指の右腕、エースの野村を中心に切れ目のない打線、
そしてここまでエラー1つと、おそらく今大会ナンバーワンの守備を誇る。
この試合の個人的なポイントとして、
・佐賀打線が野村のスライダーを見極められるか。
・佐賀のおそらく先発であろう馬場をどこまで引っ張れるか。
・久保vs広陵打線。
という点を注目していた。
先制は広陵だった。
2回の表に連打で満塁とした後、内野ゴロの間に1点、
そしてさらに櫟浦のタイムリーで2点目を挙げる。
佐賀はここで先発の馬場を諦め久保をマウンドに送った。
久保は毎回のようにスコアリングポジションにランナーを背負っていく
非常に苦しい展開ながらも、スクイズを外して3塁ランナーを刺すなど、
驚異的な粘りで無失点に抑えていく。
バックの守りも、ここぞというところですばらしい守備を見せる。
さすが準決勝まで29回無失点に抑えているだけはある。
しかしそんな久保も7回の表に野村の2塁打で2点を失い、
35イニングス目に初失点。7回を終えて4-0と差は広がった。
広陵の野村のピッチングはすばらしかった。
スライダー、カーブなどを駆使して抑える技巧派だが、
佐賀打線は全くタイミングが合わず、7回までヒット1本に抑えた。
バックも鉄壁といっていいほどの強固な守備。
まるでプロ野球を見ているようだった。
特にサードの土生はフィールディングから送球まで完璧で、
見ていてとても気持ちよかった。
試合が進むにつれ、野球が好きな人たちはみんなそう思ったと思うが、
圧倒的に広陵ペースで進んでいった。
佐賀北はまるでつけいる隙がない。見ていて打てる気がしなかった。
いくらなんでもこの試合運びで追いつくのは無理だろうと。
そして8回裏である。
野村は疲れてきたのか、連打を浴び1、2塁とされ、
さらに四球で満塁とピンチを迎える。
そして今日最大のポイントである。
打者の井手を迎え、野村は厳しいコースを突いて行く。
しかしストライクが入らない。
カウントワンスリーとなってからの5球目である。
ボール。
ズバッと低めにストレート。
しかし球審の手は上がらなかった。
この時の野村の「えーっ!?」という表情が印象的だった。
正直、野村に対しては厳しい判定だったと思う。
ストライクを取ってもらってもおかしくないボール。
審判も人間である。
満塁の時点で甲子園球場全体がとてつもない声援に包まれていた。
そしてそれは佐賀北に向けられたものである。
この異様なまでに興奮状態の球場。
どちらとも取れるボールの場合、その声援に後押しされる場合もある。
しかし、その声援を受けるだけの試合をしてきたのは佐賀北なのである。
それだけの素晴らしい試合をしてきたのは間違いない。
この判定の場面について色々言う人もいると思うが、
そこは観客を引き付けてきた佐賀北という、ある種"チーム力"が
あったからこそということで、それも実力の一つだろう。
押し出しで1点返して4-1。
引き続き満塁でバッターは2本のホームランを打っている副島。
ここで、高校野球ファンなら94年の決勝、佐賀商vs樟南戦を
思い出したに違いない。
ただその時は状況が逆で、樟南のイケメン福岡投手と田村のバッテリーが
とてつもない人気だった。宿舎にも女性ファンが殺到する騒ぎで、
球場は樟南寄りだった。
そんな状況の中、9回に佐賀商の西原が打った勝ち越し満塁ホームランで
一瞬球場全体が静まり返ったのは印象的だった。
自分は見ていて、あの展開に鳥肌がたった。
際どいボールをボール判定され押し出しをした野村に、
この勝負を戦えるほどの気力はなかったか。
高めに浮いた球を副島はレフトスタンドに叩き込んだ。
逆転満塁ホームラン。
今年の夏も終わった―――――――――――――――――――――――
☆今大会印象に残ったこと☆
・低反発球で激減したホームラン。
・延長再試合。
・帝京二遊間のアレ。
・155km。
・アノ監督の「イェーイ!」
・東福岡のブラバン応援、ハイサイおじさん+サンタが街にやってくる
「ハイサイサンタがやってくる」

去年も何かと盛り上がった決勝だったが、
今年もそれに匹敵する展開だった。やっぱり高校野球はおもしろい。
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しわけありませんが、私には解読できませんでした。